不可思議さぐりちゃん

世の中の不可思議なことや奇妙なことをさぐっちゃいます!

人は湯船で何を考えているか 100を数えない僕の場合

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「親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない」という諺がある。

「なすびの花が咲くとすべて実をつけるように、親の忠告はいずれ役に立つので

よく聞いておけ」という意味だ。

言葉の真偽はともかく、こどもの頃に親から言われたことというのは

自分が思っている以上に深く影響を受けているのだと感じることがある。

 

僕は入浴時、湯船に浸かっていると頭に浮かぶ言葉がある。

「しっかり肩まで入って、100数えてから上がりなさい」

今であれば身体を芯から温めて湯冷めしないようにという意図が理解できる。

しかし、こどもは与えられたルールを守るということしか頭にないため、

何の疑問も持たずただ愚直に100まで数えるのだ。

 

しかし、多感な時期を迎えるとそうもいかない。

意味もなく親に反発するようになる。

とは言え、身体に染みついたこのルーティン、辞めてしまうのはなかなか難しい。

その一方で素直に100を数えることには抵抗を感じる。

はじめてのティーンエイジライオットだ。

じゃあ、どうするか。

 

僕の場合はこうだった。 

「A」は「Alice in Chains」、「B」は「The Beatles」、「C」は……

僕の中の反骨精神の象徴であるロックバンドをひたすらアルファベット順に

呟き続けるのだ。

ルールも徐々に整備されていく。だからTheは省略可だ。

そして、最も重要なのは「ロックか否か?」なのである。

「商業主義的なバンドは除外だ。あんなのはロックじゃねえ!」という

偏った自己判断を絶対としても誰にも文句は言われない。

今考えると相当痛いが若気の至りということにしておこう。

 

しかし、これだけだとパターン化してしまい、入浴時間が短縮されていく。

そこでどんどんバリエーションが増えていくのである。

国内のものは五十音順、国外はアルファベット順として映画、音楽、小説、漫画と

自分が興味のあるものを次々と試していった。

 

色々やっていくとテーマによって鬼門になる文字が違うことに気付く。

五十音だと「ぬ」で躓くことが多いけれど例えばお題が「妖怪」だと

あっさり「ぬらりひょん」や「ぬっぺふほふ」が出てくるのだ。

 

この遊びは未だにやっている。

何度もやっているけれど忘れっぽいせいか毎回緊張感があって楽しいし、

記憶の片隅から引っ張り出された知識に自分が驚くこともある。

 

是非やってもらいたいというかみんなやったことあるよね?