不可思議さぐりちゃん

世の中の不可思議なことや奇妙なことをさぐっちゃいます!

童話だけではない!?物語の名を冠した「症候群」

弟の不思議な体験

こどもの頃、僕の弟に起きた不思議な現象。

当時、僕たちは同じ部屋で寝ていた。

ある日、風邪をひいて寝込んでいた弟が夜中に僕を起こした。

 

「大きな蜘蛛がいる」

「音が大きく聞こえる」

「天井や壁が迫ってくる」

 そして

「何が怖いかわからないけど、とにかく怖い。」

そう言って弟は怯えていた。

 

僕はどうすることも出来ず両親を呼んだ。

両親は熱で悪い夢でも見たのだろうと弟の頭を撫でた。

弟も次第に落ち着き、やがて眠りに落ちた。

 

この現象は弟が疲れていたり、体調が優れない時に起きるようだった。

しかし、弟の成長するにつれこの現象が起こることが少なくなり

少年期の終わりとともに消えていった。

 

不思議な体験の正体とは

大人になってもあの現象はこどもの頃の思い出として心に刻まれていた。

 

ある時、何気なく読んでいた記事の中に気になるものを見つけた。

その記事には弟が体験したあの不思議な現象はある「症候群」だと書かれていた。

 

不思議の国のアリス症候群 ーAlice in Wonderland syndromeー

 

 

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長年の謎が解けた瞬間だった。

それをきっかけに「不思議の国のアリス」だけではなく

童話やおとぎ話の名前が付いた症候群が多くあることを知ったのだった。

 

童話やおとぎ話の名を冠した「症候群」 

「いつか白馬に乗った素敵な王子様が私を迎えに来るの」

という依存願望を表した「シンデレラ症候群

 

虐待を受けた子供が親になったとき、自分の子供を虐待してしまう

(厳密には白雪姫の母だが)「白雪姫症候群

 

「髪の毛」を食べたいという衝動に駆られ

胃の中で消化されない毛玉の塊が胃から腸まで伸びていた

ことから名付けられた「ラプンツェル症候群」

 

他にも「青い鳥症候群」や「眠れる森の美女症候群」など

登場人物の性格や容姿、精神状態などになぞらえた

童話・おとぎ話由来の症候群が多くある。

 

さらに「エディプスコンプレックス」などの神話由来のもの

「オセロ症候群」などの文学由来のものなどもあるのだ。

 

新たに生まれる「症候群」

そこであることに気付いた。

 

日曜日の夜に次の日つまり月曜日から

始まる一週間を考え憂鬱になることを

ブルーマンデー」なんていったりするけど

こう呼ぶことはないだろうか。

 

サザエさん症候群

 

現代社会に生きる僕たちは過去にはなかった

新しい「症候群」を日々生み出しているらしい。

 

だから、「ドラゴンボール症候群」とか「ワンピース症候群」

ジョジョの奇妙な症候群」みたいなものが

今後出てこないとは限らない。

 

ちなみに「ドラゴンボール症候群」は確認出来なかったが、

某漫画の中で頭に強い打撃を受けたことで記憶を失い、

性格が変化した人物を「カカロット症候群」と表したことがあるようだ。

 

他にも

登場人物のあまりにも理想的な青春に比べて

自分はなんて冴えない青春だったのだろうかと

戻らない青春時代を嘆き、悲観的になる

耳をすませば症候群」

 

ADHDの症例をわかりやすく伝えるために

登場人物の性格や言動からジャイアン型(多動・衝動性優勢型)

のび太型(不注意優勢型)に分類した

のび太ジャイアン症候群」

などがある。

 

童話やおとぎ話が「症候群」という形で現実化している。

そして、映画や漫画もこれから新たな「症候群」を生みだしていくのだろう。

 

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」

フランスの小説家ジュール・ヴェルヌの言葉だが

「症候群」もある意味、人間の無意識が実現させた事象のひとつなのかも知れない。